二次イオン質量分析ラボラトリー

国立極地研究所 極域科学資源センター
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極地研探検2018ツアー The・年代測定

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一番高い温度を探そう!

南極各地から採取した方解石の中で、どの地域の石の温度が一番高いでしょう。測定してみよう。 南極各地から採取した方解

岩石に含まれる鉱物の中には,その岩石ができるときの温度や圧力を記録しているものがあります。鉱物に含まれる元素の濃度や同位体比を分析することで,その温度や圧力を調べることができます(地質温度計・地質圧力計)。

地質温度計として使われる鉱物やその仕組みにはいくつか種類がありますが,今回は,鉱物に含まれる元素の同位体の比率が温度によって変化する,という仕組みを利用します。

鉱物の中の同位体比の分析は,極地研究所に設置された,アドバンスドマルチコレクター型SHRIMP (SHRIMP-IIe/AMC)で行います。SHRIMP-IIe/AMCは可動式の検出器を5つ備えた最新式のマルチコレクター型二次イオン質量分析計で,高精度な同位体比分析を可能とします。

2018一般公開用SHRIMP-IIeAMC
方解石

今回は,南極から採集された結晶質石灰岩※(大理石とも呼ばれます)に含まれる,
方解石(カルサイト)※という鉱物を使って岩石の形成された温度を調べます。

※1石灰岩は主に炭酸カルシウム(CaCO3)で構成された堆積岩です。海の中には炭酸カルシウムでできた殻をもつ生物(有孔虫,ウミユリなど)が存在し,石灰岩はそれらの生物の殻が海の底で堆積することで形成されます。また,炭酸カルシウムが化学反応により沈殿してできたものもあります。工業分野では「石灰石」と呼ばれます。

※2結晶質石灰岩は,もとは石灰岩(堆積岩)だったものが,高温の環境で再結晶化した岩石のことであり,変成岩の一種です。そのため,石灰岩と比べて,結晶がより粗粒になっています。石材としては「大理石」と呼ばれます。

※3方解石(カルサイト)は,化学組成がCaCO3(炭酸カルシウム)で,結晶系は六方晶系の鉱物です。同じ化学組成で結晶系が異なる鉱物を霰石(あられいし,アラゴナイト・斜方晶系)といいます。石灰岩の主要な構成鉱物のひとつです。