受託試験について

国立極地研究所SHRIMPラボラトリーでは、外部機関から試験・分析等の依頼を受け、弊所職員が職務としてそれらを実施いたします。

「情報・システム研究機構国立極地研究所受託試験取扱要領」をご確認ください。
受託試験申請手続きと試験料につきましては、下記をご覧下さい。
試験内容につきましては、下記に例示しておりますが、その他の試験も可能です。
ご興味のある方は、お気軽に下記連絡先までお問い合わせ下さい。

受託試験申請手続き

受託試験の申請に際しましては、事前に試験内容や実施時期について、SHRIMPラボラトリー受付事務局と打合せをお願いします。
試験を委託される場合は「受託試験依頼書」をSHRIMPラボラトリー受付事務局に提出下さい。
国立極地研究所所長の承諾後に受託試験受入れ通知書ならびに請求書を送付いたします。

受託試験料

受託試験実施承諾後、請求書により試験料を納付いただきます。試験料の納付は原則として前納とします。
試験遂行に直接必要となる経費（直接経費）以外に、直接経費の30％に相当する額を間接経費として直接経費と併せて納付していただきます。

SHRIMP分析例

SHRIMPでは5～30μmに収束したイオンビームを固体試料表面に照射し、発生した二次イオンを二重収束型質量分析計で高感度（～ppb）に分析します。1分間当たりの掘削深度は＜0.1μmであり、 深さ方向の元素分布を試験することも可能です。

U-Pb年代測定

←変成岩中のジルコンのU-Pb年代測定。
外来性のコアの年代分布や変成作用で結晶化した部位（リム）を個別に分析。
10μm程度の最外殻の分析も可能。
（加筆・修正：Horie et al., 2018. Timing and duration of regional metamorphism in the Kagasawa and Unazuki areas, Hida metamorphic complex, southwest Japan. Chemical Geology, 484, 148-167. ）

微量元素定量分析

←ジルコン中の微量元素存在度。希土類元素やTi、Hfといった多様な元素の測定が可能。
（データ：Takehara et al., 2018. New insight into disturbance of U-Pb and trace-element systems in hydrothermally altered zircon via SHRIMP analyses of zircon from the Duluth Gabbro. Chemical Geology, 484, 168-178. ）
→リン酸塩鉱物の希土類元素存在度パターン。
上記以外でも多様な元素の定量分析が可能です。

安定同位体分析

←花崗岩と花崗岩質マイロナイト中のジルコンの酸素同位体比。
（加筆・修正：Takehara & Horie (2019) U–Pb zircon geochronology of the Hida gneiss and granites in the Kamioka area, Hida Belt. Island Arc, 28(4), e12303.）
→シリカ鉱物のケイ素同位体比。
上記以外でも多様な安定同位体分析が可能です。

Selfrag使用例

Selfragは、水中の試料に高電圧（約9万～20万ボルト）をかけることで、放電を起こします。
その際、試料中の物質境界で強力な引張応力が発生するため、物質境界に沿って分離をすることができます。

←花崗岩と花崗岩質マイロナイト中のジルコンの酸素同位体比。
↓斑レイ岩質斜長岩から回収したジルコンの表面写真。
（データ：Takehara et al., 2018. New insight into disturbance of U-Pb and trace-element systems in hydrothermally altered zircon via SHRIMP analyses of zircon from the Duluth Gabbro. Chemical Geology, 484, 168-178. ; Takehara M., Horie K., Hokada T., & Kiyokawa S. (2018) Data on recovery rates and external morphologies of zircon grains from mechanical and electrical pulverization of rock samples. Data in brief, 19, 1537-1544. ）
資源回収等でも有用な機材です。